今から数十年前、小学校5年生の春の遠足は、鎌倉・江の島。先週、新潟県あてま高原で行われた一泊二日の小学校同窓生のクラス会で、鎌倉の大仏の前で撮影した写真を、この写真の中の男子6名、女子4名で、改めて見ることになった。この写真の中にあるように、透きとおった笑顔をカメラに向けることは、今のわれわれにはもうできない。笑いに幾重にも網を用意して対峙すること、その網が複雑にからみあっていくこと。生きることは、つまり経験によって知恵を畳み込んで網にするだけ、笑いが透明度を失っていく過程なのだ。であれば、性急な言葉になるけど、子どもたちが透明な笑顔を心置きなく発することのできる環境を作っていくことに心を砕きたい。