「ハロウィーンで大騒ぎしたい。ラストサムライの衣装で来てくれ」とマドリッドに住むアメリカ帰りの友人夫妻から連絡があった。成田からマドリッドに飛んですぐ、シェスタの終わった夫妻と、早速下町のバルに駆け込んで、ビールとワインを一気に飲んだ。ワシントンから来た友人夫妻は、顔を黒く塗り、かつらをかぶってオバマ大統領夫妻に扮するという。「この忙しい時にすいません」と謝るマドリッドの友人に答えて、「いや、いいんだ。論争も、選挙もうんざり。それにハリケーンから逃げ出すことができたからね」と、大統領がウィンクしてみせた。マドリッドでも、バルの窓辺に優しい秋の光が届いている。
というのは真っ赤な嘘で、単線駅の七里ヶ浜の駅前にある小さなバルのウィンドーを撮影しただけ。スペイン産<ロリコープ>の黒オリーブの缶詰があった。