ベルギーのブリュッセルに住むムッシュウ・マルクとヨーコさんのご夫妻とフライブルクのレストランで友だちになったことは話した。ヨーコさんに書いてもらったレストランの名前と、グラン・プラースのすぐそばにあるという場所のイメージを書いたマルクのメモを頼りに、昨年ミラノの「バグッタ」にリングィーニを食べに行った時のように、オフの一日を利用して、片道で5時間半以上かかるブリュッセルに、日帰りでランチを食べに行くことにした。
全く初めての土地で、情報を準備する余裕もなく、日帰りできるだろうかと不安が先に立ったが、ヨーコさんに聞いたムール貝の白ワイン蒸しの魅力が勝った。
5時52分にフライブルクを発ったICEの窓から日の出を望む。
ケルンを過ぎ、暫くして国境を越えた頃から次第に景色が変わってくる。
11時32分、終点のブリュッセル・ミディ駅に着く。駅から歩いて迷い、1時間以上かかって、やっと目指すレストランにたどりついた。
ベルギービールを飲み、スープ・ド・ジュールをすすり終わったあと、白ワイン蒸しクリームスープ付きムール貝が鍋ごと運ばれてきた。
レストランを出て、ブリュッセルの街を歩く。
一日の旅でも、旅の終わりには憂愁が漂う。16時28分にブリュッセルを発つICEに乗り、22時17分にフライブルクに着いた。