2009年 02月 13日

川端康成邸。

友人で、財団法人川端康成記念会の役員をしているMさんに誘われて、長谷の川端康成邸を訪れた。2月19日から名古屋の松坂屋で開催される、「生誕110年 川端康成コレクション展」に向けた所蔵美術品の搬出が行われた。すでにほとんどの美術品が梱包されていたが、幸い、梱包前のいくつかを拝見させてもらうことができた。
中庭に、落椿。
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落椿・続き
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川端康成記念会の川端香男里理事長が、無造作に取り出した作品は、熊谷守一の「地蔵」。自然で闊達な筆の運びが、地蔵の慈愛の表情を一直線に描き出していてびっくりした。
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新たに川端邸で発見された逸品として、先日プレス発表されて話題を呼んだ与謝蕪村の文台。文台を収容する箱に貼られた付票の筆跡がすばらしい。
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書斎の入り口の靴箱の上に置かれていたのは、川端康成さんが使っていた下駄だ。
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玄関に置かれた備前の大壺に存在感。
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広大な木造の平屋の廊下の一部。関東大震災にもびくともしなかったそうだ。
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トイレにびっくりした。入り口にある手水場がゆかしい。
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そして、入り口に置かれていた履物が床しい。このトイレの広さは半端ではなかった。関東大震災で被害を受けて避難してきた隣近所の方々が、このトイレを寝所に使ったというほどの広さだ。
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by hirofumi_nakayama | 2009-02-13 22:53 | in Kamakura city | Comments(4)
Commented by biwakokayo4 at 2009-02-15 18:55
椿の花はきれいなまま落ちるので地面で咲いているようですね。
2枚目の見下ろした写真が好きです。
地面の緑が赤い椿を引き立てていますね。
お地蔵様の絵も書も惹かれます。
墨っていいですね。
Commented by hirofumi_nakayama at 2009-02-15 20:22
biwakokayoさん、川端邸では、すっかり新しく眼が開かれた思いがしました。川端康成の有名な言葉、「日本の美」。どこの世界にもない、ここ日本にしかないものを、大事にしたいと思いました。と、おおげさな言葉になってしまいましたが。
Commented by takahashi at 2009-02-19 09:17 x
相変わらず綺麗な写真を撮っていますね。ゆっくりと落ち着いた人生を送っているのが写真から伝わります。羨ましい限りです。
Commented by hirofumi_nakayama at 2009-02-19 23:16
師匠、コメントをありがとうございます。
決して落ち着いてはいないのですが、
師匠からその言葉を聞くと、
ありがたいような、がんばらなければいけなくなったような、
ちょっと複雑ですよ。
いろいろご報告したいこともあり、
ご連絡します。


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