04/12/26 Sun.
一昨日の夜、8時まで開館しているというので、オペラシティーのアートギャラリーに、ヴォルフガング・ティルマンス展を見に行った。帰り道にたまたま書店に寄って、発売されたばかりの写真を特集している「エスクァイア」誌を買い、帰りの電車の中で、ビールを飲みながらその雑誌をめくっていたら、特集ページの中にティルマンスの写真が登場していた。彼がそのオペラシティーの個展のために来日した折に撮影された写真だ。
個展の作品はどれも、一瞬に過ぎ去ってしまう美を捕らえ、しかも、透明感のある緊張感といったらいいか、感情のやりとりの及ばない、意味さえも宿る隙がない、一瞬の間の澄み渡った緊張感といったらいいか、そんなものに包まれている。各作品に用意されているタイトルは、だから単なる認識票のように見える。雑誌に掲載された写真にもまた、彼の繊細な美意識が発見した同じ緊張感がみなぎっていた。電車が鎌倉に着くまで、オペラシティーで得た興奮を、雑誌で反芻して過ごした。とても幸せな時間だった。
広町の森は初冬の景色。
ところで、走っているうちに誤ってカメラを落としたら、鏡胴が外れてしまった。暫く、このカメラを使えないことになった。