2018年 05月 10日

プラハの記憶・番外篇。

日が暮れて道に迷い、プラハ城へのひなびた坂道を上がっていると、ギターを抱えた男の彫像があった。
街灯のあかりに半身を照らし、天から落ちてくる音を待つかのように、胸を反って空を見上げている。
チェコで名のある演奏家なのだろうか、とプレートを探したものの、暗いこともあって見当たらない。
カメラに収めてその場を去った。
翌朝、偶然その坂道を降りることになって、彫像のあった場所に至ると、彫像が消えている。
一瞬呆然として回りを見渡すが、間違いようのない同じ坂道の同じ場所。
はたと前日に旧市庁舎広場でピエロの衣装で身じろぎもせずに立つパフォーマーを見たことを思い出した。
人通りの少ない場所を選び、手のこんだ演出で見事に彫像を演じきった夜のパフォーマーに胸中で拍手した。


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by hirofumi_nakayama | 2018-05-10 20:30 | in Prague | Comments(2)
Commented by zipgrrl at 2018-05-10 21:09
本当に、これは生きている人でしょうか!?
そう思って見ても、彫像に見えてしまう。
短編小説になりそうなドラマに出会いましたね。
Commented by hirofumi_nakayama at 2018-05-11 20:44
ぷろとんさん、この彫像をテーマにして、短編小説を書きたいですね。
何だか書けるような気もします。


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